かぜのお話

＊＊かぜのお話＊＊

実は、「かぜ」という病名はありません。

上気道（鼻、咽頭、喉頭）の急性炎症のみでなく、最近は下気道である気管、気管支、肺にまで広がって急性炎症をきたす疾患を総称して「かぜ症候群」、いわゆる「かぜ」といわれます。

かぜの原因は80～90％がウイルスといわれ、主な原因ウイルスとしては、ライノウイルス、コロナウイルス、パラインフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルスなどが挙げられますが、かぜに有効な抗ウイルス薬はインフルエンザを除いて存在しません。

どうすれば、治るのでしょうか？

それは、体に備わっている「自然治癒力」です。

普通のかぜであれば、安静にして、十分な水分・栄養補給を摂ることで約1週間も過ぎれば治るとされています。

市販している一般用医薬品には、ウイルスに直接効く薬はありませんが、かぜのつらい症状を和らげる対症療法として使えます。

症状を軽くすることで体力の消耗を抑え、「自然治癒力」の手助けになることでしょう。

しかし、下記のような重い症状であれば、医療機関での受診をおすすめします。

・39度を超える発熱、もしくは、38～39度で他の複数の症状が見られる

・黄色・緑色の鼻汁、たん

・ひどい、あるいは長く続く咳、たん

・のどの激しい痛み、腫れ

・慢性呼吸器疾患、糖尿病、心疾患などの基礎疾患を持っている人

また、普通のかぜの症状であれば、2～3日で改善が見られるため、一般用医薬品を5～6回服用しても症状の改善が見られないようであれば、症状の悪化や他の疾患なども考えられますので、服用を中止し、医療機関に受診することをすすめます。

参考資料：一般社団法人日本呼吸器学会ホームページ

呼吸器の病気　A-01感染性呼吸器疾患「かぜ症候群」