必須アミノ酸とその健康パワーの秘密
アミノ酸は三大栄養素の一つであるタンパク質を構成するのに必要な有機化合物で20種類あります。タンパク質は生命活動の維持に重要な物質ですが、アミノ酸が一つでも欠けるとからだの中でタンパク質を造ることはできません。20種類のうち人や動物が体内で作ることのできない9種類を「必須アミノ酸」、体内で糖質や脂質から作り出すことのできる11種類を「非必須アミノ酸」と呼んでいます。「必須アミノ酸」はタンパク質として食事から摂取しなければなりません。良質のタンパク質とは、人が体内で合成できない「必須アミノ酸」がすべて十分にバランスよく含まれているものとなります。
食品によってアミノ酸の構成や含有量は異なりますので、いろいろな食品を組み合わせて、バランス良く食事をする工夫が大切ですね。 |
バランスを工夫するうえで、アミノ酸を多く含む黒酢などを取り入れてみるもの1つですね。
では、必須アミノ酸にはどのような種類があるのかご紹介しましょう。
トリプトファン:トリプトファンは、ビタミンの一種「ナイアシン」(別名:ニコチン酸、ニコチンアミド)や、神経伝達物「セロトニン」の原料になります。ナイアイシンは補酵素としてエネルギー代謝に関与していると言われています。セロトニンは精神安定、鎮静、催眠効果のある神経伝達物質で脳で睡眠サイクルに関与するメラトニンに変換されます。イライラしたり寝付きの悪い方には気になる栄養素ではないでしょうか。
スレオニン:(トレオニン):スレオニンはトレオニンと表記されることもあります。食事から取り入れたたんぱく質を使うときに必要とされ、成長と新陳代謝をうながす働きをします。また肝臓に脂肪が蓄積することを防ぐうえで重要な栄養素でもあります。肌の表面をおおう角質層にはNMF(Natural Moisturizing Factor)という天然の保湿因子があり、それが肌の水分を保っています。スレオニンはNMFを構成するアミノ酸のひとつです。
イソロイシン:イソロイシンは「バリン」、「ロイシン」とあわせて「BCAA」(Branched Chain Amino Acid:分岐鎖アミノ酸)と呼ばれています。これら分岐鎖アミノ酸は筋肉の成長を助ける働きがあります。
バリン:バリンはイソロイシン、ロイシンとともに筋肉で代謝される分岐アミノ酸(BCAA;branched chain amino acid) であり、筋肉のエネルギー代謝に深く関わっています。筋肉疲労や筋肉損傷の回復を助ける働きがあります。また、血液中の窒素バランスを調整するなどの働きがあります。筋肉には多くの窒素が含まれていて、筋肉の中の窒素が少なくなると筋肉が分解して窒素量を増やそうと働くのです、逆に窒素量が多くなると筋肉に取り込んで筋肉の成長を促すと言われています。
ロイシン:ロイシンはイソロイシン、バリンとともに筋肉で代謝される分岐アミノ酸(BCAA;branched chain amino acid) であり、筋肉のエネルギー代謝に深く関わっています。も筋肉強化、疲労を抑え体を動かすうえでの重要な働きをする栄養素です。筋肉の働きに関わるという事は、基礎代謝の向上、ダイエットとの関係にも注目ですね。
メチオニン:アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの血中濃度を下げる働きがあると言われています。また、脂質代謝に関与し肝機能の維持に重要であるといわれています。利尿機能とも関わっており体の中の老廃物の排出を助けます。
フェニルアラニン:フェニルアラニンは神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンの合成に関与しています。ドーパミンやノルアドレナリンは精神を高揚させたり、血圧を上昇させる作用があります。不足することの無いようにしたいですね。
ヒスチジン:ヒスチジンは必須アミノ酸なのですが、大人になると体内で合成できるようになります。そう子供の成長に必須なアミノ酸です。そのほかにもアレルギー反応に関与するヒスタミンの前駆体です。 神経機能をサポートしたり、ヘモグロビンや白血球など血液にも関係する栄養素、大人でも不足することがないようにしっかり摂取したいですね。
リシン(リジン):リジンは、細菌・ウィルスの侵入を防ぐ抗体や、ホルモン、酵素などの構成成分として利用され、生体の成長や修復に関与しています。植物性タンパク質中、特に穀類には含量が低いので、動物性タンパク質を組み合わせて摂取することが必要です。 健康な毎日を送る上でも注目したい栄養素の1つです。 |