ハチミツは1歳未満の乳児に食べさせてはいけないって知っていますか?
料理やお菓子に甘みやコクを与えてくれ、栄養成分も豊富で美容や健康にも良いと言われているハチミツ。とても人気の食材です。でも、1歳未満の乳児にハチミツは食べさせてはいけないのはご存知ですか?ハチミツは、土で育つ花の蜜が原料のため土壌菌(ボツリヌス菌の芽胞)が含まれている場合があります。すべてのハチミツに含まれているわけではありませんが、全体の約5〜10%にボツリヌス菌の芽胞が検出されています。ボツリヌス菌は、ブドウ球菌とともに毒素型の食中毒菌の代表です。
1歳未満の腸はまだ未熟で短いため、ボツリヌス菌芽胞が消化管で死滅されずに吸収されてしまい、抵抗力の低い乳児の腸内で菌が増殖し『乳児ボツリヌス症』を引き起こす危険性があります。『乳児ボツリヌス症』は、便秘、麻痺、全身の筋力が低下する脱力状態などの症状が現れ、死にいたる危険性もある恐ろしい病気です。1986年に国内で初めて症例が報告され、厚生省(当時)が1987年以降、1歳未満の乳児にハチミツを与えないよう指導しています。ハチミツの容器のラベルには「ハチミツは1歳未満の乳児には、食べさせないよう気をつけて下さい」と注意書きがされているのはそのためです。
では1歳を過ぎればハチミツを食べさせても大丈夫なのでしょうか? 1歳を過ぎれば腸が発達し、免疫機能が整うのでボツリヌス菌が増殖しないので、大丈夫といわれています。乳児ボツリヌス症の94%は6ヶ月未満の乳児、症例の最高月齢は11ヶ月です。本来、ハチミツに含まれている程度のボスリヌス菌であれば平気なのですが、赤ちゃんは免疫力や抵抗力が弱く、大人にとっては平気なものでも、病気になってしまうのです。 では 菌ならば、加熱すれば食べさせても大丈夫かというと、 ボツリヌス菌の芽胞は高温に耐えるため、加熱調理では除去できません。従って加熱をしたものや、ハチミツの入った加工品でも1歳未満の乳児には食べさせないで下さい。 育児書や母子手帳などに記載されているため、お母さん達にはほぼ常識かもしれませんが、意外に知らない人も。あらゆる世代の人たちに知ってほしい知識です。
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