怖い絵展に行った感想
兵庫県立美術館で展示されている怖い絵展。ドイツ文学者・中野京子さんのベストセラー本「怖い絵」シリーズで紹介されている絵画を展示する展覧会です。中野氏がシリーズで取り上げた作品を筆頭に、近世から近代にかけてのヨーロッパ各国で描かれた「恐怖」を主題とする膨大な絵画の中から油彩画と版画の傑作を選び出し、神話、怪物、異界、現実、風景、歴史といったテーマに分けて展示していました。
レディ・ジェーン・グレイの処刑という大作が日本初上陸した事でも話題になったのではないでしょうか。ヘンリー8世の姪の娘として生まれたばかりに政争に巻き込まれ、望みもしない王冠を被せられたあげく、わずか16歳で死なねばならなかったジェーン・グレイ。この絵画には「9日間の女王」とも呼ばれる彼女が、今まさに処刑されようとしている風景が描かれていました。1928年のテムズ川の大洪水により失われたと考えられていたが、1973年の調査で奇跡的に発見され、展示すると瞬く間に多くの人に見られる作品となりました。この作品の前には人が溢れ床がすり減ったそうです。 透き通るような白い肌。周りには彼女の装飾品を手にした侍女が泣き崩れていました。でも彼女は最後まで結婚指輪だけは外さず処刑されました。16歳という若さで争いに巻き込まれ、反逆罪で処刑される。目隠しをされ自分が処刑される断頭台に触れ、横たわり、大きな斧によって執行される 。この作品を見たとき何を考えるのかは見に行く人それぞれが感じるものがあるでしょう。ちなみに私は怖いや恐怖より、悲しさが勝る作品だったかと思います。
ちなみに私は平日のお昼過ぎに行ったのですが、人人人!!チケットは先に購入していたのですが、チケット売り場/入場/オーディオの貸し出しそれぞれで並びました。レディ・ジェーン・グレイの処刑やオデュッセウスとセイレーンのような大きな作品もあればA4サイズの小さな作品も多数あり(ほぼ小さいサイズ)満員電車に乗り込む人のように並んで作品を見ていました。作品の近くで並んでいると必ず誰かと密着するような感じ。たしか約80展程だったかと思いますが私は2時間30分かかりました(笑) 他の方のブログなんか見ていると平日の午前は比較的見やすいそうですが、土日は恐ろしいことになっているようですね。グロテスクな作品やぱっと見て恐怖を感じる作品でなく作品を見た時の「どうして怖いの?」という気持ちが絵画への興味を掻き立ててくれるので、普段絵画に興味がなくや美術に疎い私でも十分に楽しめました。是非行って欲しいです!
兵庫会場:兵庫県立美術館 兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1[HAT神戸内] ■会期:2017年7月22日(土)~9月18日(月・祝) ※月曜休館(9月18日は開館) ■開館時間:午前10時~午後6時 (金・土曜日は夜間開館、午後8時まで)※入場は閉館の30分前まで
東京会場:上野の森美術館 東京都台東区上野公園1-2 ■会期2017年10月7日(土)~12月17日(日)※会期中無休 ■開館時間:午前10時~午後5時(※入場は閉館の30分前まで) |