トローチ剤の特長
口腔内で崩壊して作用を発揮する口腔用錠剤として、トローチ剤があります。
最近、放映されたテレビドラマでも「トローチにはなぜ穴が開いているのか?」とトローチ剤が取り上げられていました。
トローチ剤の用法には「口中に含み、かまずにゆっくり溶かしてください」と記載されています。
【トローチ剤はかまずにゆっくり溶かすのがポイント!】
なぜかまずにゆっくり溶かす必要があるのでしょうか?
トローチ剤は、少しずつ溶かすことによって口やのどについた細菌を殺菌し、増殖を防ぐ作用があります。
口腔の中に長くとどまることで薬効成分がゆっくり溶け出します。
その薬効成分が粘膜に作用して効き目を発揮します。
かみ砕くと、薬効成分が溶けずに消化管に吸収されてしまい、トローチ本来の効果を発揮することができません。
トローチ剤はかまずにゆっくり口の中で溶かすことがポイントです。
ちなみに錠剤は速く溶けて効き目を発揮させる必要があります。
よって、錠剤には製造工程で「崩壊剤」を配合します。
崩壊剤を加えることで、錠剤が崩壊して、成分が放出されるのです。
速く溶ける必要のある錠剤には崩壊剤が加えられますが、「トローチ剤」に崩壊剤が配合されていないのは口腔内でゆっくり溶ける必要があるからです。
また、トローチ剤をなめた後30分は飲食を控えてください。
のどに効かせている有効成分が飲食することで流れてしまう可能性があります。
【味にも工夫】
トローチ剤は味にも工夫が施されています。
苦みがあれば、当然なめて溶かし続けるのにもひと苦労ですよね?
トローチ剤には、口の中でゆっくり溶かしやすいように甘い味がつけられています。
当社商品「新エスベナントローチ」は添加物として白糖やブドウ糖、スーッとする成分としてl-メントールを含んでいます。
ちなみに冒頭でご案内した「トローチにはなぜ穴が開いているのか?」の回答ですが、なめている最中、誤飲した時に窒息しないようにするためです。
【医薬品のトローチ剤<新エスベナントローチ>について】
炎症を起こす原因となる細菌を殺して、のどのはれ・痛みを抑える「塩化セチルピリジニウム」を配合。
さらに、せきを鎮める「ノスカピン」、去痰薬として「グアヤコールスルホン酸カリウム」も配合しており、せき、たん、のどの痛みに効果を発揮します。
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【参考資料】
第十七改正日本薬局方通則~医薬品各条
北村正樹 利便性製剤-口腔内崩壊錠-