塗布と塗擦
皮膚に付けるお薬の使い方に「塗布してください」あるいは「塗擦してください」と記載されています。
このように違いがあります。
「塗布」は、皮膚に塗り広げる
「塗擦」は、皮膚に擦り込むように塗る
「塗布」は多くの軟膏や、クリームの使用方法に、「塗擦」はスキンケアに使用する保湿剤や、筋肉痛に使用する消炎鎮痛剤の使用方法に記載されています。
どちらの方法にしても、薬をしっかり浸透させたいが為に、皮膚を強く擦ってしまうと、かえって傷つけてしまうこともありますので注意しましょう。
「塗布」の場合は、指の腹で優しく塗広げましょう。中指や薬指を使うと余分な力が入らないので、優しく塗り広げられます。
「塗擦」の場合も、優しく繰り返し擦り込みましょう。
**外用薬「適量」の目安は?**
「1日数回・適量を塗布」と添付文書や説明書に書かれていますが、適量とはどれくらいを示しているのでしょうか?適量の目安としてFinger Tip Unit(FTU)を紹介します。軟膏、クリームを塗布する際、その必要量の目安の単位の1つに、FTUがあります。口径が5mmのチューブから人さし指にしぼり出す場合、人さし指の先から第一関節までの量を1FTUといいます。1FTUが男性で約0.49g、女性で約0.43gになり、成人の手のひら2枚分の皮膚がカバーされるといわれます。しかし、これはあくまで1つの目安であり絶対的にこの量になるとは限りません。また、チューブの口径は様々で、チューブが小さくなれば口径も小さくなります。1FTUが0.5gになるのは25g程度のチューブです。ステロイド外用薬など作用の強い薬剤では過量にならないように注意しましょう。一方で、塗布量が少ないと効果が減弱することもあります。
参考資料:今日のOTC薬 –解説と便覧- 2013年 南江堂